無人レジの決済方法とは?日本での普及の課題と未来予想を解説
最終更新日:2021年12月30日
日本でも少しずつ普及が進んできた無人レジですが、アメリカや中国と比較すると遅れをとっているのが現状です。
本記事では、無人レジのことをさらに知りたい方に向けて以下の内容をお伝えします。
- 無人レジの仕組みや決済方法
- 無人レジ普及における課題
- 無人レジがつくる未来の可能性
なお、無人レジの導入をご検討なら、キャッシュレス決済端末の設置がおすすめです。
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決済をスムーズにするだけでなく、販売分析や業務効率化にも役立つため、興味があれば以下よりお気軽にお問い合わせください。
無人レジの仕組みとは
はじめに、無人レジの基本的な仕組みや利用の流れを解説していきます。
無人レジとは、消費者自身で決済できるレジのこと
スーパーやコンビニで、自分自身でタッチパネルを操作し、商品を読み込んで決済した経験はないでしょうか。
無人レジとは、有人レジで店員がおこなう商品の読み取りや精算など一連の作業を、消費者がおこなえるように仕組み化されたレジのことです。
商品の読み込みに関しては、従来からあったバーコードを読み込む方法だけではなく、AIの画像認識技術を活用しカメラで読み込む方法や、あらかじめ商品に付けられているICタグを読み込む方法があります。
無人レジは決済だけでなく、入店から退店まで消費者の動きを機械システムで認識し、店員が存在しなくても買い物できる無人店舗の運営も可能にしました。
無人レジでの決済までの流れ
それでは、消費者はどのような流れで無人レジの決済をするのでしょうか。
スーパーでの買い物を例にあげ、無人レジ決済のよくある流れをお伝えします。
- 入店し、通常どおり買い物カゴに商品を入れていく
- 無人レジコーナーに進み、自身で持ってきたエコバックやレジ袋を作業台に取り付ける
- 買い物カゴに入れた商品のバーコードを1点ずつ読み込む
- 読み込んだ商品はエコバックやレジ袋に入れる
- 商品の読み込みがすべて終わったら、タッチパネルを操作し決済方法を選択し精算する
このような流れで自分自身で決済を完了させます。
上記以外にも、最近では「レジ機能付きショッピングカート」という新しい無人レジ決済の流れも誕生しました。
レジ機能つきショッピングカートは、ショッピングカート自体に「タブレット端末」と「バーコードリーダー」が装備されています。
消費者自身が買い物と同時進行で商品のバーコードを読み込み、決済を進めていきます。欲しい商品がすべてそろったら、店舗出口にある専用レジで決済を済ませお買い物完了です。
このように、無人レジといってもさまざまな買い物の流れがあります。
なお、無人レジの導入メリット・デメリットや無人レジメーカーについては以下の記事でまとめております。無人レジの導入をご検討中の方は、こちらもあわせてご覧ください。
>>無人レジをわかりやすく解説!導入する5つのメリット&3つのデメリット
>>無人レジの注目メーカー9社を紹介!メーカーの選び方も解説
無人レジで使える決済方法とは
有人レジでは一般的に現金・クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済・商品券などの決済が可能なケースが多いです。
では、無人レジでも有人レジと同様の決済が可能なのでしょうか?
ここからは、無人レジの決済方法について解説していきます。
無人レジは「現金決済」「キャッシュレス決済」どちらも対応可能
無人レジは、基本的には有人レジと同様に現金でもキャッシュレス決済でもどちらも対応できる場合が多いです。
ただ、企業によって導入しているレジシステムやレジメーカーはさまざまであり、キャッシュレス決済のみ取り扱い可能な無人レジも存在します。
一部の決済方法しか利用できない場合は、大抵レジ横に「キャッシュレス決済のみ」などの案内があるため注意して見るようにしましょう。
また、今後はキャッシュレス化がさらに進むと考えられ、取り扱いが可能な決済方法が多種多様になっていくことが予想されます。
一部の無人レジでは、外国人旅行者向けの決済方法に対応した機器もあるようです。
商品券を使いたい場合は確認が必要
商品券を無人レジで使用できるケースは少ないです。
無人レジと有人レジ両方存在する場合は、有人レジでお会計するほうがスムーズに商品券で買い物できます。
ただし、無人レジでも店員に「商品券で支払いたい」と伝えれば対応してもらえる場合もあるようなので、一度店員に聞いてみると良いでしょう。
無人レジはキャッシュレス決済を加速させる
無人レジの普及は、これまで人の手でおこなってきた作業を機械がおこなうことを可能にし、世の中のデジタル化をより加速させることになります。
徐々に消費者もデジタル化に慣れ、「デジタル技術を活用して効率を重視すること」が当たり前の世界になるのではないでしょうか。
そうすると、これまで当たり前のようにおこなってきた現金決済を煩わしく感じる人が増え、キャッシュレス決済に切り替える人が増えるでしょう。
また、経済産業省はキャッシュレスビジョンを掲げ、日本をよりキャッシュレス化しようとしています。
そのなかの政策のひとつに「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」というものを策定しており、2025年までに主要コンビニで扱う全商品に電子タグをつけて無人決済できるような仕組みを目指しています。
身近な存在であるコンビニが変化していけば、世の中に大きな影響を与えるのではないでしょうか。
参考:「経済産業省 キャッシュレスビジョン」
無人レジの普及における3つの課題点
- 小売業界にはデジタル人材が不足している
- セキュリティ対策に不安がある
- 停電などの非常時に機能しなくなる
生活しているなかで無人レジを利用する機会も増えてきたと思いますが、課題がまったくないとは言い切れません。
ここからは、無人レジの普及がなかなか進まない理由となっている3つの課題を解説していきます。
課題1.小売業界にはデジタル人材が不足している
小売業界に限ったことではありませんが、有人の実店舗運営を何年も続けてきた企業には、ITリテラシーの高いデジタル人材が不足していると言われています。
ITリテラシーに乏しいと、自社に無人レジをどう導入していけば良いかわからず、無人レジの導入ハードルが非常に高いです。
また、無人レジの導入には費用がかかり、現場のオペレーションも変更する必要があるなど労力がかかります。
その結果、「従来のレジのままで良いのでは」と考えがちです。
経営層にITリテラシーが高い人がいないと、導入する必要性を理解しきれず決裁がおりづらいということもあるでしょう。
課題2.セキュリティ対策に不安がある
レジに人が存在しないと、万引きを止める人物がいなくなりセキュリティ対策に不安が生じます。
人の目では防ぎきれない部分は機械やシステムを活用することで、セキュリティ面をより強化できる可能性もあります。
しかし、システムの穴をすり抜けようとする人が出てくる可能性もあるでしょう。
一度セキュリティをすり抜ける方法が出てきてしまえば、大幅なシステム改善を余儀なくされる場合も考えられます。
いたちごっこにならないよう常にセキュリティ対策については考えていかないといけません。
課題3.停電などの非常時に機能しなくなる
無人レジは決済の一連の流れをすべて機械がおこなっているため、電力が無くなれば機能しなくなってしまいます。
万が一災害などで停電してしまった場合はどのように運営を継続すればいいのか、その間のセキュリティ対策はどうするのか、などさまざまなリスクに備える必要があります。
災害時や非常時の対策などを考えていると、導入するまでに多くの時間を費やすかもしれません。
無人レジの未来の可能性とは
上記のような課題もあり、無人レジが爆発的に普及するには至らない状況です。
しかし、無人レジの普及は多くの可能性に満ちた未来を秘めています。今後無人レジが普及すると、どのような未来を作っていくのでしょうか。
ロボットが商品陳列をおこなう
無人レジの普及に伴い店舗の無人化が進み、いずれは商品陳列もロボットがおこなう未来が考えられます。
完全無人店舗にするためには、レジ会計だけではなく商品の補充や在庫管理などをおこなう機械も必要です。
「そこまで無人化するのはさすがに難しいのではないか」と思われるかもしれませんが、実際に商品陳列用ロボットは存在します。
2021年11月、日本のキャッシュレス化を進めている経済産業省内のファミリマートで、商品陳列用のロボットが導入されました。
無人店舗の実現に向け、店舗のあらゆる業務のデジタル化が進められており、今後はレジだけでなく店舗における作業すべてをロボットがおこなう未来が来るかもしれません。
顔認証で決済ができる
2018年12月セブン・イレブンはNECと提携し、顔認証で入店および決済できる無人店舗の運営を開始しました。
顔を事前登録することで顔認証でのキャッシュレス決済を可能にし、料金は給与天引きになる仕組みです。
事前登録が必要なことや個人情報の観点から、一般的な消費者を対象にした普及はまだまだこれからですが、いつか顔認証で買い物できる未来が来るかもしれません。
AIがビジネス拡大のヒントを与えてくれる
無人レジではAIカメラやICタグで商品を管理しているため、どの時間帯にどの商品の売れ行きが良いのかなど、すべて機械がデータ化してくれます。
これまでは人がデータ分析を行い、会議で話し合って今後の戦略などを考えていくのが一般的でした。
しかし、今後のビジネス拡大のヒントは常にAIが自動で出してくれるようになり、戦略会議なども簡易的になるかもしれません。
また、個人の行動履歴なども反映できるようになれば、その人の行動をAIが学習して一人ひとりにあった商品を提案できるような仕組みも期待できます。
まとめ:無人レジの普及は進むと予想。日本を支える無人レジに今後も注目!
アメリカでは無人コンビニ「Amazon Go」が2018年から運営開始され、2021年では3000店舗展開を目指しており、単なる無人レジではなく店員自体が存在しない無人店舗の普及が進んでいます。
それに比べると、完全無人店舗はまだほとんどが実証実験中であり、無人レジの導入に足踏みしている日本はやや遅れをとっている状況です。
しかし、海外の事例や最新技術の影響を受け、今後日本でも無人レジが普及していくよう経済産業省も後押ししています。
無人レジは超高齢化社会が進み、人手不足が問題視される日本を支える重要なものになっていくかもしれません。今後も無人レジの動きに要注目です。
今後のビジネス拡大にむけて、ぜひ無人レジの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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