ユニバーサル自動販売機とは?6つの特徴や問題点を紹介
最終更新日:2021年11月29日

ユニバーサル自販機とは、すべての人が使いやすいように設計された自動販売機のことです。
商品ボタンの位置が低くなっていたり、取り出し口が高い位置になっていたりすることで、様々な人が使いやすいように設計されています。
ただユニバーサル自販機が設置されている場所は限られているため、
「ユニバーサル自動販売機ってどんな自販機なのかな?」
「ユニバーサル自動販売機は何が便利なの?」
といった疑問を持っている方も多いかもしれません。
本記事ではユニバーサル自動販売機について、特徴や代表的なメーカーの機種をまとめました。
- ユニバーサル自動販売機の特徴
- ユニバーサルデザインを取り入れた自動販売機
- ユニバーサル自動販売機の問題点
ユニバーサル自動販売機について知りたいのであれば、ぜひ最後までお読みください。
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障がいを持つ方の中には、そもそも財布からコインを取り出すことを難しく思う人もいます。
条件次第では後付けも可能なので、自動販売機をより便利にしたいのであれば、まずオフィスペイの公式サイトをご覧ください。
ユニバーサル自動販売機とは
出典:株式会社伊藤園
ユニバーサル自動販売機とは、その名の通り、ユニバーサルデザインを取り入れた自動販売機のことです。
すべての人が無理なく使えるように、ボタンや商品の取り出し口など様々な点が工夫された、親切な設計となっています。
では、そもそもユニバーサルデザインとは何なのでしょうか。
ユニバーサルは日本語にすると「一般的」や「普遍的」という意味で、ここでは「すべての人々に共通する」と言い換えられます。
つまり、ユニバーサルデザインは「年齢や性別にかかわらず、すべての人が利用しやすいデザイン」ということです。
もともとは1980年代にアメリカのロナルド・メイス氏が提唱した考え方で、以下のような7原則に従ってデザインされています。
- 誰でも公平に利用できること
- いろいろな方法を自由に選べること
- 使い方が簡単ですぐ分かること
- 必要な情報がすぐ理解できること
- うっかりミスや危険につながらないデザインになっていること
- 無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に利用できること
- 使いやすい寸法・空間になっていること
突き詰めると、ユニバーサルデザインとは利用者を第一に考えたデザインで、現代のものづくりの基本概念と言えます。
また、不平不満や不都合を可能な限り改善し続けることも原則に含まれているので、たゆまぬ企業努力が必要です。
ユニバーサル自動販売機は上記の7原則を満たした自動販売機ですが、実際に見たことがないと、どのような自販機か想像しづらいかと思います。
次の見出しでは、ユニバーサル自動販売機の特徴について詳しく見ていきましょう。
ユニバーサル自動販売機の6つの特徴
ユニバーサル自動販売機は、先述の7原則を取り入れることで、誰にでも使いやすくデザインされています。
現在取り入れられている主な特徴は、下記の6つです。
- 商品選択ボタンが低い位置にもある
- 商品の取り出し口が従来品より高い位置にある
- コイン投入口やおつり取り出し口が受け皿になっている
- ユニバーサルカラーが使用されている
- 商品や小物を置けるテーブルがある
- 低位置メニュー機能により低い位置からも選びやすい
順番に見ていきましょう。
特徴①商品選択ボタンが低い位置にもある
ユニバーサル自動販売機には、通常の位置と低い位置の2つの商品選択ボタンが存在します。
一般的に自動販売機と言えば、3段程度に商品が分かれて並んでいるケースが多いです。
しかし上段の商品はボタンの設置位置が高すぎるため、車いす利用者や子どもは届きません。
そのため選択ボタンを低い位置にも設置することで、誰でも使えるように設計しているのです。
「届かない人がいるなら商品を1段だけにすれば?」「自販機の背を低くしたら?」と考える方も多いかもしれません。
ただ1段のみにすると扱える商品数が半減するほか、自動販売機そのものの背を低くすると、大人には低すぎて操作しづらくなってしまいます。
どちらでも使いやすいデザインは、まさにユニバーサルと言えます。
特徴②商品の取り出し口が従来品より高い位置にある
ユニバーサル自動販売機の商品の取り出し口は、従来の自動販売機より高い位置にあります。
取り出し口を少し高くするだけで、腰を深くかがめる必要がなくなるので、腰を曲げるのがつらい人に助かるデザインです。
従来の自動販売機は、商品が取り出し口まで落ちてくる仕組みなので、取り出し口が下の方に設置されていました。
一方ユニバーサル自動販売機の場合は、商品を高い位置まで持ち上げる仕組みになっているため、かがむ必要がありません。
しっかり腰を曲げられる人でも「かがむ」というアクションが省けるので、すべての人が楽に使用できます。
特徴③コイン投入口やおつり取り出し口が受け皿になっている
コインの投入口やおつりの取り出し口が受け皿になっていることも、ユニバーサルデザインの特徴の1つです。
自動販売機で飲み物を買う際に、コインがうまく入らなかったり、手からコインを落としてしまったりした経験はないでしょうか。
また、おつりの取り出しに不便さを感じていた人も多いかと思います。
しかしユニバーサル自動販売機では、コインを1枚ずつ入れる必要がないため、数枚をまとめて受け口に投入できる仕組みとなっています。
おつりもまとめて取り出せるので、片手でも簡単に使えます。
一般的な自動販売機では、開閉式のフタを押し開けておつりを取り出すのは、少し大変でした。
筆者は、前の人がおつりを取り忘れているケースを多く見たことがあります。
手が不自由な人だけではなく、手が塞がっている人や急いでいる人にも使いやすいデザインです。
特徴④ユニバーサルカラーが使用されいてる
ユニバーサルカラーとは、多くの人が認識しやすい色の組み合わせのことです。
ユニバーサル自動販売機の多くは、下記のような部分にユニバーサルカラーを使用しています。
- コイン投入口
- 紙幣挿入口
- おつり返却レバー
- おつり取り出し口
人によって色の見え方は異なると言われてるため、コイン投入口などの重要な部分は、誰もが認識しやすい色を使うことが重要です。
ユニバーサル自動販売機では、上記の部分にオレンジ色のような目立つ色を使用しているため、色弱者にとっても判別しやすいデザインとなっています。
特徴⑤商品や小物を置けるテーブルがある
ユニバーサル自動販売機では、商品や小物を置けるテーブルが備えられていることも多いです。
テーブルにものを置いたり、体を支えることで、手すりの役割も果たすためです。
買い物を終えた後は、荷物で両手が塞がっていてもテーブルの上に仮置きできます。
また杖をついている場合でも、体を支えて財布を取り出せます。
テーブルがあれば少しの動作も楽にこなせるので、多くの人が活用可能です。
特徴⑥低位置メニュー機能により低い位置からも選びやすい
こちらは「イノベーション自販機」のみの特徴とはなりますが、イノベーション自販機では、メニューの位置を変える「低位置メニュー」機能が存在します。
ちなみにイノベーション自販機とは、商品を選ぶ画面がタッチパネルになっている自動販売機のことです。
車いすに乗っていても利用しやすい場所に「低位置メニュー」ボタンがあり、タッチすると商品の購入ボタンが低い位置に表示される仕組みです。
もちろん車いすの方だけでなく、小さい子どもも利用しやすい機能として、多くの人に活用されています。
ボタンが低い位置にあるユニバーサル自動販売機は便利ですが、病院や福祉施設といった場所に設置されていることが多く、街中ではあまり見かけませんでした。
一方イノベーション自販機は、JR東日本首都圏の駅を中心に設置されているため、より多くの方が自動販売機を利用しやすくなります。
ユニバーサルデザインを取り入れた自動販売機3種類
ユニバーサル自動販売機は主に病院や福祉施設などに設置されていることが多いため、見かける機会は少ないかもしれません。
ここではユニバーサルデザインの自動販売機を、3種類紹介します。
- ジャパンビバレッジ ユニバーサルデザイン機
- 伊藤園 ユニバーサルデザイン自動販売機
- acure イノベーション自販機
順番に見ていきましょう。
なお、ユニバーサル自動販売機の導入手順は、従来の自動販売機と変わりません。
導入方法を詳しく知りたいのであれば、オフィスに自販機を導入する方法について解説した以下の記事を参考にしてください。
>>オフィスに自販機を設置したい!導入する際の選び方と注意点まとめ
①ジャパンビバレッジ ユニバーサルデザイン機
1つ目は、株式会社ジャパンビバレッジホールディングス(以下、ジャパンビバレッジ)のユニバーサルデザイン自動販売機です。
ジャパンビバレッジのユニバーサル自動販売機は、すべての特徴を備えたオーソドックスなデザインです。
低い位置に補助押しボタンが配置されているだけでなく、補助ボタンのすぐ下に手すりつきのテーブルも設置されています。
取り出し口は一般的な自動販売機よりも高く設置され、オレンジ色のユニバーサルカラーも使用されています。
365日アフターサービスにも対応しているので、トラブルが発生しても安心です。
②伊藤園 ユニバーサルデザイン自動販売機
2つ目は、株式会社伊藤園(以下、伊藤園)のユニバーサルデザイン自動販売機です。
出典:株式会社伊藤園
伊藤園のユニバーサル自動販売機も、本記事で紹介したユニバーサルデザインの原則にしたがってデザインされています。
また、ユニバーサルガイドラインに準拠し、最大突出部を少なくしていることも特徴の1つです。
突出部にぶつかって転倒やケガをする恐れが少ないため、小さな子どもが走り回る場所でも、安心して利用できます。
③acure イノベーション自販機
3つ目は、acureのイノベーション自販機です。
出典:acure
acureのイノベーション自販機は、ユニバーサルデザインではないので、現金タイプのコイン投入口やおつり取り出し口は従来の自販機と同様のデザインです。
ただしタッチパネルが搭載されており、画面下部にある「低位置メニュー」をタップすると、画面の下部にメニューが表示されます。
車いすに乗っている方や、上部のボタンが届かない方も使いやすい自販機となっています。
またSuicaなどの交通系ICカードや、専用スマホアプリにてキャッシュレス決済ができることもポイントの1つです。
手が不自由な方や、財布からコインを選ぶのが苦手な方など、現金での支払いが難しい方にも便利な自動販売機です。
ユニバーサル自動販売機の問題点
ユニバーサル自動販売機は、これからどんどん普及していくことが予想されますが、課題もあります。
現在の大きな課題は、向きに対する配慮が少ないことです。
ほとんどのユニバーサル自動販売機のデザインは、高さに対する配慮は十分にされていますが、左右に対する配慮は不十分な場合が多いです。
現在のユニバーサル自動販売機では右利きの人を想定して設計されており、利き手が違う人や片手が不自由な人にとっては、やや不便だと感じるケースもあります。
ただし改善を続けることがユニバーサルデザインとして提唱されているので、今後は改良により、さらに便利な自動販売機になることが期待できそうです。
自動販売機をより便利にするならオフィスペイを導入しよう
ユニバーサルデザインは便利ですが、コインの取り扱いが難しく感じる人もいます。
より便利にするためには、キャッシュレス決済が可能になるオフィスペイの導入がおすすめです。
オフィスペイを導入すると、社員証やクレジットカード、QRコード決済といった決済方法が自動販売機で利用できるようになります。
いちいち財布を出す必要もないため、急いでいる場合や、来客対応時にも便利です。
オフィスペイは、ユニバーサルの自動販売機以外でも、現在導入している自販機をより便利にしたいと考えている場合にもおすすめです。
自動販売機を消費者にとって便利にしたい場合は、ぜひ以下より公式サイトをご覧ください。
まとめ:ユニバーサル自動販売機を導入してより便利にしよう
ユニバーサル自動販売機は、ユニバーサルデザインに沿って設計された、すべての人が使いやすい自動販売機のことです。
「障がい者のためのデザイン」と勘違いされがちですが、あくまで「全員」を対象にしています。
小さな子どもからケガをしている人、お年寄りまで、幅広い年代の人が便利に使えるように設計されています。
街の人全員がより便利に使えるように、ユニバーサル自動販売機の導入を検討してみてください。
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