非接触・無人決済のニーズ増に対応|無人決済システム「TOUCH TO GO」
最終更新日:2020年12月18日

株式会社TOUCH TO GOは、省人化・省力化のためのシステムソリューションを開発するIT企業です。2020年3月、無人決済システムを導入した店舗「TOUCH TO GO」を高輪ゲートウェイ駅に開業しました。
TOUCH TO GOの店舗運営に必要なスタッフは、たったの1人。働き手不足・長いレジ待ち時間といった問題を解消すべく開発された「無人決済システム」とはどんなものなのでしょうか?
「株式会社TOUCH TO GO」の設立と店舗「TOUCH TO GO」の出店
無人決済システムについてお伝えする前に、「TOUCH TO GO」について簡単にご紹介します。
「株式会社TOUCH TO GO」は、2019年7月に設立されたIT企業です。無人決済システムの開発を進めていた「サインポスト株式会社」と、スタートアップ企業を支援する目的で作られた「JR東日本スタートアップ株式会社」との合弁で設立されました。
店舗「TOUCH TO GO」の出店に先立って、JR東日本スタートアップ株式会社とサインポスト株式会社が2018年10月から3ヶ月間、JR赤羽駅ホームの無人店舗で実証実験を実施。実用化の手応えを感じ、事業推進のため株式会社TOUCH TO GOの設立に至ったのです。
その後もさらに開発を進めたTOUCH TO GOは、2020年3月23日、無人決済システムを導入した店舗「TOUCH TO GO」第1号店を高輪ゲートウェイ駅に開業しました。

無人決済システムとはどんなものなのか、店舗「TOUCH TO GO」の利用の流れと一緒にご説明します。
無人決済システム利用の流れとその仕組み
TOUCH TO GOでの買い物は、以下の3ステップです。
- 店舗に「はいる。」
- 商品を手に「とる。」
- 店舗を「でる。」
どのように利用するのか、まずは流れを見てみましょう。
無人決済システム利用の流れ
1.はいる。
店舗入口のゲートから入場します。事前登録や専用のアプリは特に必要なく、入店エリアに立つとゲートが自動で開きます。

2.とる。
購入したい商品を手に取ります。用意されているカゴを使わず、持参したエコバッグに入れても、手に持ったままでも大丈夫です。一度手に取った商品でも、棚に戻せば購入する商品としてカウントされることはありません。

3.でる。
決済エリアに立つと、タッチパネルに商品が表示されます。表示された商品と持っている商品が一致していれば、Suicaなどの交通系電子マネー、もしくはクレジットカードで決済し完了です。

以上の3ステップで利用でき、レジ打ちなどでスタッフが対応することなく、買い物は終了です。
それでは一体、どのような仕組みで買い物ができるのでしょうか?
次に、その仕組みを見ていきましょう。
無人決済システムの仕組み
TOUCH TO GOでは、店内の天井や棚に設置されたカメラやセンサーが取得した情報から、どのお客様が、どの商品を手に取ったのかをリアルタイムに認識し、お客様と商品を紐付けます。
※「決済エリアのタッチパネルに表示される商品」と「決済エリアでお客様が実際に持っている商品」が合致する確率

一方、もし「棚に戻した商品が含まれている」「持っている商品が含まれていない」など、購入商品が間違っていた場合でも、店舗スタッフの対応は必要ありません。「タッチパネルから商品を削除する」「バーコードを読み取って商品を追加する」といった対応をお客様自身が簡単に行うことができます。
また、年齢確認が必要な酒類の購入時なども、バックヤードのスタッフがリモートカメラで年齢確認を行います。成人かどうかの判断が難しい場合は、カメラに向かって身分証明書を提示してもらうことで確認します。
つまり、店舗スタッフによるお客様への対応が必要になることはほとんどありません。品出し等の作業を行うスタッフが1人常駐していれば、スムーズな店舗運営が可能なのです。
TOUCH TO GO 1号店のオープンから現在まで
オープン前から多くの注目を集め、3月のオープン時には想定を大きく超える反響があったTOUCH TO GO。しかし、その直後から新型コロナウイルスの感染拡大にともない、緊急事態宣言や外出自粛などがありました。
小売りにとって厳しい状況下でありながら、それでもTOUCH TO GOは来店客数・売り上げを大きく落とすことなく、現在でも想定した水準をキープし続けています。
想定した水準の来店客数で店舗運営を続けられたことで、店舗スタッフ1名での運営が成り立つことを実証できました。
そのため現在では、消費者・運営者の利便性向上のため
・「店舗スタッフ用アプリ」
・「決済エリアのユーザー用レジアプリ」
などの改修や機能追加を進めています。
無人決済システムの導入をおすすめする店舗
TOUCH TO GOの無人決済システムをおすすめするのは、「自販機以上、コンビニエンスストア未満の規模」の店舗です。
それ以上の広い店舗・売り上げの大きい店舗に合わせると、ハードウェアの肥大化により、無駄なコストが発生する可能性があります。そのため、TOUCH TO GOの無人決済システムの導入は、コンパクトな規模の店舗をおすすめしているとのことです。
その一例が、2020年10月16日、外部店舗として初めてTOUCH TO GOの無人決済システムが導入された「KINOKUNIYA Sutto(キノクニヤ スット)目白店」。ほかにも、今年度中に4、5店舗へのサービス導入が予定されており、その中には先日業務提携を発表したファミリーマートも含まれています。
今後もさまざまな店舗への無人決済システム導入が、予定されているそうです。
高まる「非接触」ニーズ
上記の通り、無人決済システムは基本的にはコンビニエンスストア・商業施設内の店舗への導入を想定しているそうですが、「予想外だったのは、病院の売店・オフィス内の売店からの問い合わせ」とのこと。新型コロナウイルスの影響で「非接触」「無人決済」のニーズが高まっており、想定していなかった方面からも多くの問い合わせが来ているそうです。
ほかにも、飲食店からの「非対面決済部分のみを使いたい」といったお問い合わせも増えているとのこと。TOUCH TO GOでは「パッケージ化したシステムを丸ごと導入」するだけではなく、決済部分・ゲート部分など、個々の機能を活用したソリューションも提案しています。
今はシステムを計画通りに導入していけるよう、体制作りや作業の標準化を進めているそうです。
無人決済システムの今後
「4年後までに100店舗への導入を目指している」というTOUCH TO GOの無人決済システム。使いやすさ向上のため、現在の決済方法(交通系電子マネー、クレジットカード)のほかにも選択肢を増やしていくとのことでした。
まずは2021年2月頃、現金決済が追加される予定。その後もニーズを踏まえて、バーコード決済(PayPay など)やその他電子マネー決済にも順次対応していくそうです。
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