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無人コンビニでQR決済は使える?現在メインの5つの決済方法とは

コラム
記事掲載日:2020年11月29日
最終更新日:2021年09月20日

「PayPay」や「LINE Pay」といったQR決済を利用したことがありますか?QR決済は、スマホ1つで手軽に利用できる決済方法として普及が進んでいます。

とはいえ、最近話題の無人コンビニでQR決済は使えるのでしょうか?

この記事では、

  • QR決済が使える無人コンビニはあるのか
  • 無人コンビニの決済方法とは
  • 無人コンビニでQR決済は普及するのか

について、解説していきます。

無人コンビニの決済方法について網羅的に把握できるよう紹介していくので、ぜひご一読ください。

目次

無人コンビニでQR決済が使えるのは現状ロボットマートのみ

無人コンビニでQR決済が使えるのは現状ロボットマートのみ

無人コンビニは、先にキャッシュレス決済が普及した中国やアメリカで始まりましたが、日本でも店舗が増えてきました。

日本の無人コンビニは、ロボットが接客する「ロボットマート」、高輪ゲートウェイ駅の中にオープンした「TOUCH TO GO」などが存在しています。

(これ以外にも、社内や空港、駅などに設置する自販機型の無人コンビニもあります。)

決済方法はクレジットカードや交通系電子マネーなど様々で、現状、無人コンビニでQR決済を使えるのは「ロボットマート」のみです。

このように、店舗によって決済方法は異なりますが、具体的にどのような決済方法が導入されているのでしょうか。次の項で紹介していきます。

無人コンビニの決済方法は主に5つ

<主な無人コンビニの決済方法5つ>
  1. クレジットカード
  2. 交通系電子マネー
  3. QR決済・バーコード決済
  4. ポイント払い
  5. 現金

現在、無人コンビニで使える決済方法は主に上記の5つです。順番に解説していきます。

①クレジットカード

有人・無人問わず、多くのコンビニで対応しているキャッシュレス決済が、クレジットカードです。

Amazonの無人コンビニ「Amazon Go」でもメインの決済方法としてクレジットカードが採用されています。

②交通系電子マネー

「Suica」や「PASMO」「ICOCA」など、日本全国の交通会社から発行されている交通系電子マネー。

高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」をはじめ、駅に設置された無人店舗では交通系電子マネーがメインの決済方法です。

③QR決済・バーコード決済

「スマホ決済」とも言われる決済方法が「QR・バーコード決済」です。通常、自分のスマホに決済用アプリをダウンロードして利用します。

ご存知の方も多いかと思いますが、一般的な利用方法は下記の通りです。

<QR決済・バーコード決済の利用方法>
  1. スマホにQR決済のアプリをダウンロードする
  2. 電話番号やパスワードを入力する
  3. 銀行口座やクレジットカードと紐付ける
  4. アプリ内に金額をチャージする
  5. カメラで店のQRコードをスキャンする、またはQRコードやバーコードを店にスキャンしてもらい支払う

店員のいるコンビニでは利用者も多いQR・バーコード決済ですが、無人コンビニでは案外対応している店舗が少ないのが現状です。(現状は「ロボットマート」のみ)

④ポイント払い

ポイント払いは、Pontaポイントや楽天ポイント、ドコモのdポイントで支払う方法です。

ただ、ポイント払いは対応している店舗は現状ありません。過去にローソンが実験的に営業した無人店舗「スマート店舗」においては、ポイント払いが採用されていました。

⑤現金

現金に対応している無人コンビニもあります。

実店舗というよりは、主に駅やオフィスに設置する自販機型のコンビニなどで採用されている決済方法です。

決済スピードや決済方法の変化を考えると、今後も無人コンビニで現金決済が残り続けるかは何とも言えません。

少なくとも主流の決済方法にはなりにくいのではないでしょうか。

6つの無人コンビニそれぞれの決済方法

<6つの無人コンビニ>
  1. 日本初の路面店の無人コンビニ「ロボットマート」
  2. Amazon Go
  3. 高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」
  4. ローソンの深夜無人営業「スマート店舗」
  5. 武蔵境の「NewDays」
  6. セブンイレブンとNTTデータの実験店舗「レジなしデジタル店舗」

現在の無人コンビニでは、どんな決済方法が使われているのでしょうか。上記6つの事例について、一つずつ決済方法を解説します。

①日本初の路面店の無人コンビニ「ロボットマート」

①日本初の路面店の無人コンビニ「ロボットマート」

ロボットマートは日本初の、路面店の無人コンビニです。

大きな特徴としては、外観は普通のコンビニでも「いらっしゃいませ」と挨拶するのはロボットであることです。

ロボットの存在は、カメラでの監視や万引きの抑止力にもなっています。他にも店内には多数のカメラが設置され、遠隔監視ができています。

ロボットマートは、現在ある無人コンビニの中では唯一QR決済ができる店舗です。

博多にあるロボットマートではクレジットカードや電子マネーでの決済も可能ですが、現金は利用できません。

②Amazon Go

Amazon Go

Amazon Goは、現在アメリカの4都市(シアトル、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク)にて運営されています。

実際は完全な無人ではなく、店内には品出しや案内役の店員がいますが「レジがないコンビニ」です。

事前に専用アプリをダウンロードして、クレジットカード情報や請求先住所などを登録しておきます。登録が済むとQRコードが発行され、入口でかざすことで入店が可能です。

利用者は欲しい商品をそのままバッグに入れて退店すれば決済完了です。支払いは事前に登録したクレジットカードに請求されます。

③高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」

高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」

JR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」の改札内にオープンした無人コンビニが「TOUCH TO GO」です。

TOUCH TO GOでは現状、交通系電子マネー決済とクレジットカード決済に対応しています。

アプリでの事前登録なども必要なく、店の前に立つと入口が開きます。Amazon Goと同じように、商品をそのままバッグに入れてしまってOKです。

出口のレジ前に立つと、取った商品の合計金額が出るので、交通系電子マネーをかざして支払います。

④ローソンの深夜無人営業「スマート店舗」

ローソンの深夜無人営業「スマート店舗」

2019年8月、ローソンは、深夜0時から午前5時までの時間限定で売り場を無人にする店舗を実験的に営業しました。

アプリのQRコードを読み取るか、顔写真を撮影して入店します。

酒・タバコやホットスナックの販売は中止。公共料金の収納代行や宅配便の受付も行いません。

会計はセルフレジで、バーコードを読み取り行います。会計方法は、以下の5種類です。

<「スマート店舗」の会計方法>
  • クレジットカード
  • 各種電子マネー
  • ポイント支払い
  • バーコード決済
  • 現金

会計方法は普段の営業時とほぼ変わりません。現金決済も利用できました。

なおローソンは2020年、Amazon Goと同じく、お客さんが商品を取ってそのまま退店できる「レジなしコンビニ」の実験店舗もスタートしています。

⑤武蔵境の「NewDays」

武蔵境の「NewDays」

JR中央線の武蔵境駅の改札を出てすぐの場所に、NewDaysの無人コンビニがあります。

NewDaysの会計方法は、シンプルにセルフレジで商品のバーコードを読み取り、交通系電子マネー、またはクレジットカードで精算する方法です。

⑥セブンイレブンとNTTデータの実験店舗「レジなしデジタル店舗」

セブンイレブンとNTTデータの実験店舗「レジなしデジタル店舗」

セブンイレブンも、NTTデータが展開するデザインスタジオ「AQUAIR」内に、無人コンビニの実験店舗を開始しています。

あくまでも実験店舗(模擬店舗)としての運営で、一般公開はされていません。

入店方法はAmazon Goと同じで、事前にダウンロードしたアプリとクレジットカード情報を紐づけ、QRコードで入店します。

入店後は商品を選び、そのまま退店します。するとアプリに購入履歴が表示され、登録したクレジットカードに請求される仕組みです。

無人コンビニでQR決済は普及するのか

無人コンビニでQR決済は普及するのか

現在のところ、無人コンビニでQR決済を採用されているケースは「ロボットマート」のみ。今後、QR決済は無人コンビニに普及していくのでしょうか?

結論から書くと、筆者は「できるだけユーザーの手間を省いた結果、QRコードをかざす決済方法はなくなるのでは?」と考えています。

確かに、スマホ1つで買い物できるQR決済は魅力的です。

しかし、Amazon Goや実験中のセブンイレブンのような「退店するだけ」の店舗と比べると、どうしてもQR決済は手間に感じてしまうのではないでしょうか。

ただ、これだけ「PayPay」や「LINE Pay」をはじめとするQR・バーコード決済が拡大した背景には、

  • 使える店舗が多い
  • ポイントが貯まる

というユーザー側のメリットがあります。

無人コンビニで使えないとなると、普段からQR決済を使う人は不満に思うかもしれません。

しかし「退店するだけ」の決済方法と比べ、「アプリを起動し、QRコードを読み取る」という行為は、利便性や決済スピードの面で劣るのではないでしょうか。

退店するだけの決済方法は、レジに並ぶことがなく、スピーディに買い物ができる、無人コンビニの利点を最大限に生かせます。

今後の無人コンビニは、「できるだけユーザーの手間を省く」決済方法に落ち着くのではないでしょうか。

もし対応するとしても、「QRをかざす決済」そのものではなく「決済用アプリにクレジットカード以外のキャッシュレス決済も紐づけが可能になる」のではないかと考えています。

オフィスの無人コンビニには「社員証決済」の導入を

オフィスの無人コンビニには「社員証決済」の導入を

無人コンビニはオフィスや工場、病院などに設置できる小型のものも多く存在しています。

社内に無人コンビニの導入を検討しているのであれば、社員証で決済ができるものがおすすめです。

社員証は常に携帯するものなので、財布を持ち歩く必要がありません。コンビニ前を通りかかった際の衝動買いも「ピッ」とかざすだけでOKです。

また、使用した代金は給与天引きだけでなく、会社側が負担することもできます。

そのため、

  • 成績優秀者には会社が好きな商品をプレゼント
  • 来客へ出す飲み物を現場社員が購入し、料金は会社負担

といった活用も可能です。

以下のページでは初期費用・月額費用が無料(※条件あり)で導入できる社員証決済サービス「オフィスペイ」を紹介しています。

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まとめ:無人コンビニの決済方法は今後も変化していく

無人コンビニの決済方法は今後も変化していく

現在のところ、日本でQR決済を採用する無人コンビニはほとんどありません。

無人コンビニに簡易性やスピード感を求めるなら、「アプリを起動し、かざす」手間が必要なQR決済はやや不向きと言えます。

とはいえ、今後QR・バーコード決済がさらに普及していくのであれば、現在主流のクレジットカードや交通系電子マネーだけでは不満の声が生まれるかもしれません。

今後の無人コンビニの決済方法は、ユーザーの声によって変化していくと考えられます。

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