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工場を無人化するメリットやデメリットは?今後の課題も紹介

コラム
記事掲載日:2021年09月18日
最終更新日:2021年10月04日

多くの産業でロボットやAIが活躍し、工場の無人化が少しずつ現実的になってきました。

「工場無人化のモデルケースやロードマップはあるの?」
「工場を無人化するメリットとデメリットが知りたい」

このようにお考えではありませんか。

完全なる無人化はまだまだ難しいとされていますが、省人化は進んでいます。

なぜ工場で無人化が進んでいるのか、メリットやデメリットを解説します。

<本記事でわかること>
  • 工場を無人化するメリット・デメリット
  • 工場無人化の事例
  • 工場無人化のロードマップ
  • 工場無人化における今後の課題

工場を無人化を推進するためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。

なお、工場の無人化はDXとして注目されています。

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目次

工場を無人化する5つのメリット

工場を無人化する5つのメリット

工場の無人化には、下記のような5つのメリットがあります。

<工場無人化のメリット>
  1. 危険作業を任せられる
  2. 人手不足への対応(労働時間の減少)
  3. コスト削減
  4. 生産性の向上
  5. 品質の向上(品質のバラツキがなくなる)

安全第一の観点から、危険作業を任せられる点もロボットのメリットです。人にとって有毒な材料を使う工場はたくさんありますが、ロボットに任せればケガや事故の確率は減少します。

一方で、工場を無人化することで、従業員の負担が削減されます。人手不足に困る工場も多いため、単純作業をロボットに任せると一気に解決する場合も。

そうなれば人件費がかからなくなるので、コストの削減につながります。

また、ロボットにはメンテナンスが必要ですが、基本的に休息がいりません。常に生産できるので、生産性の向上が見込めます。

さらに、ロボットの場合は生産性向上と品質向上の両立が可能です。人が休まずに作業すると注意力が散漫になるため、品質の低下を招きます。

費用面、安全面を鑑みても、工場無人化の気運は今後も高まっていくと言えます。

工場を無人化する3つのデメリット

工場を無人化する3つのデメリット

工場の無人化には、デメリットもあります。

<工場無人化のデメリット>
  1. 導入コストが高い
  2. 完全無人化は難しい
  3. 管理担当者に高いスキル・知識が必要

工場を無人化すると生産コストは下がりますが、初期導入コストがかかります。新しく設備を導入したり、もともとある設備を改造したりする必要があるからです。

仮に新しい設備を導入しても、残念ながら完全な無人化は難しいでしょう。必ず設備のメンテナンスが必要になるため、管理担当者が必要です。

また、管理担当者には設備に対する高いスキルと知識が欠かせません。なんとなくメンテナンスをして故障させると、生産ラインをストップさせてしまいます。

工場無人化の事例3選

工場無人化の事例3選

工場の完全無人化はいまだ難しいですが、一部の無人化はさまざまな工場で見られます。本記事では3つの事例を紹介します。

<工場無人化の事例>
  • アイリスオーヤマ株式会社
  • アウディAG
  • 株式会社土屋合成

ひとつずつ見ていきましょう。

アイリスオーヤマ株式会社

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出典:アイリスオーヤマ株式会社

アイリスオーヤマ株式会社は、幅広く事業を展開している企業でさまざまな製品を世に生み出しています。

今回紹介するのは、アイリスオーヤマつくば工場です。つくば工場は、LED照明や家電製品をメインに生産しており、特にLED照明の生産ラインは無人化が進んでいます。

LED照明の生産ラインで、労働力となっているのはほとんどがロボットです。基盤の実装から梱包までロボットが実施し、出荷場まで自動で搬送されます。

また、ロボットの作業なので品質は一定に保たれ、安定した供給を実現しました。

もしかしたら近いうちにロボットのメンテナンスも遠隔で行い、現場から完全に人がいなくなるかもしれません。詳しくはこちらのプレスリリースをご覧ください

アウディAG

アウディは有名なドイツの自動車メーカーです。4つのリングがつながったエンブレムを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

アウディは、プレス加工現場で行われる品質検査に機械学習を導入しました。それまでアウディの品質検査は人の目と画像認識ソフトを使って、品質確認をしてきましたが、近い将来には機械学習のみになる予定です。

自動車の品質は人の命に直結するため、従業員も気を張ってしまいます。

しかし、高い精度を誇るアウディの機械学習は、ほんの数秒で検査を完了します。さらに、学習機能が優秀で、初めて発生するような品質異常も発見できるようになりました。

ゆくゆくはプレス加工のみならず、さまざまな工場で同ソフトウェアが活用される予定です。YouTubeで生産ラインが公開されています。

株式会社土屋合成

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出典:株式会社土屋合成

株式会社土屋合成は、筆記用具の部品や時計部品などに使われるプラスチック製品を製造する企業です。

20年ほど前に海外向けの製品を作るようになり、人手不足が課題となりました。夜間も休日も工場の見回りが必要で、場合によっては社長自らが見回りをしていたこともあったそうです。

そこで、土屋合成は早くからネットワークとタブレット端末を配備。カメラと併用することで、設備の稼働状況を把握できるシステムを作り上げました。

タブレット端末から確認できるため、異常があれば迅速に対応します。作業者の見回りが不要になりました。

現在では、生産実績や進捗状況もデータで管理しており、24時間365日の自動生産を実現しています。公式サイトに記載があるだけではなく、経産省のコラムとして紹介されました。

経済産業省が調査した工場無人化のロードマップ

経済産業省が調査した工場無人化のロードマップ

工場の無人化・自動化への取り組みが重要として、2017年に経産省が「ものづくりスマート化ロードマップ調査」をまとめています。

調査では、スマート化の目的として下記の7つが挙げられました。

<スマート化の7つの目的>

  1. 品質の向上
  2. コストの削減
  3. 生産性の向上
  4. 製品化・量産化の期間短縮
  5. 人材不足・育成への対応
  6. 新たな付加価値の提供・提供価値の向上
  7. その他(リスク管理の強化)

さらに、ロードマップのなかには目的達成のために、データ活用のレベルが3つ示されています。

<データ活用のレベル>

  1. データの収集・蓄積
  2. データによる分析・予測
  3. データによる制御・最適化

上記を具体的に見てみましょう。

1.データの収集・蓄積

レベル1には「データの収集・蓄積」が挙げられています。

データを活用するためには、そもそも扱えるデータが必要です。生産活動にはさまざまなデータが存在しますが、有益な情報を見極めたうえで収集しなくていけません。

そして得られたデータを見える化して、得られた気づきをノウハウとして蓄積します。

ロードマップでは小目的「製品の開発・設計の自動化」のレベル1で、下記の例が見られます。

  1. 設計事例を収集してデータベースとして蓄積する
  2. シミュレーションソフトウェアを活用すると、過去事例の構造等を解析できる

この場合では、データベースをいつでも見られるようにすることが重要です。

2.データによる分析・予測

レベル2は「データによる分析・予測」です。

データが蓄積されれば生産において、重要な過去の情報となります。情報を分析したり学習したりして、達成したい目的に関係する要素を洗い出しましょう。

また、事象のモデル化や将来予測もできるようになります。

「製品の開発・設計の自動化」の例を見ると、

  1. 過去の設計事例を分析する
  2. 設計仕様を満たし、生産しやすい形状・構造をモデル化できる

とあります。

取り扱いやすい設計は過去のデータを元に決めるのが重要です。

3.データによる制御・最適化

レベル3は「データによる制御・最適化」です。

データが蓄積・分析されれば、あとは実際の生産活動にどうやって活かすかが重要。蓄積と分析が目的にならないように注意が必要です。

「製品の開発・設計の自動化」では、下記のように示されています。

  1. 構築したモデルを用いて設計を自動化する
  2. 製品開発・設計期間を短縮できる

これらのロードマップを参考に、自社に合ったスマート化、ひいては無人化に役立ててみてください。

工場無人化における今後の課題

工場無人化における今後の課題

工場の無人化は、さまざまな企業において取り組まれていますが、残念ながら現状では万能と言えません。

下記のような課題があります。

<今後の課題>
  • データを分析・活用できる人材の不足
  • セキュリティ強化が必須
  • さまざまな機器でネットワークの構築が必要

詳しく紹介します。

課題①データを分析・活用できる人材の不足

データは蓄積するだけでは意味がありません。分析して活用してこそ、重要な意味を持ちます。

すなわち、

  • どのようなデータを
  • どのように集めて
  • どのように生産に活かすか

を考えなくてはいけません。

そのためには、デジタルに精通した人材が必要です。

すでに社内に適任者がいればいいですが、いない場合は外注や教育する必要があります。

中途で有識者を採用したり、セミナーを受講するといった教育を施したりする必要があります。

課題②セキュリティ強化が必須

工場の無人化には、膨大なデータが必要です。なかには、企業の中枢とも言える機密性の高いデータもあります。

そのため、セキュリティに対するリテラシーは、高めておかなくてはいけません。

悪意のあるアクセスがあった場合に、データ漏えいの恐れがあります。そうなれば社会的な信用の失墜や製品情報の流出など、取り返しのつかない事態になるかもしれません。

部外者の立ち入りを禁じる通常の防犯セキュリティはもちろん、サイバーセキュリティも強化しましょう。

課題③さまざまな機器でネットワークの構築が必要

データを得るためには作業者だけではなく、関連する設備をネットワークでつなぐ必要がある場合もあります。圧力やトルクなどのデータは、作業者には確認しづらいからです。

新型の設備では比較的容易に導入できますが、すべての設備を入れ替えることは現実的ではありません。

そのため、昔から使用している設備にネットワークをつなげますが、そもそも想定されてないことがほとんどなので導入に時間や費用がかかります。

失敗は避けたいところなので、事前にデータを収集する目的を明確化しておきましょう。

工場のDXに貢献する「オフィスペイ」

工場のDXに貢献する「オフィスペイ」

工場の無人化は、作業内容をDXするということに他なりません。

DXの最大の目的は作業者の負担を軽減することですが、休憩のようなリフレッシュタイムをDXすると満足度はさらに上がります。

そこで貢献できるのが、キャッシュレス決済サービス「オフィスペイ」です。オフィスペイは自販機や食堂の券売機などを、キャッシュレスにできるサービスです。

クレジットカードや電子マネーはもちろん、社員証でも決済できます。

工場によっては財布をロッカーに入れておかなければいけない場合もあるので、社員証決済を導入すればわざわざ財布を取りに行く必要はありません。

従業員のわずらわしさを極力排除することで満足度が上がるのは、現場でもリフレッシュタイムでも同じです。

従業員の負担を軽減するためにも、ぜひ導入を検討してみてください。公式サイトから資料を無料でダウンロードいただけます。

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まとめ:自社に合ったところから無人化を検討しよう

自社に合ったところから無人化を検討しよう

<本記事のまとめ>
  • 工場の無人化にはメリット・デメリットがあるが、今後も取り組みが進むと考えられる
  • 工場の無人化(スマート化)に対して、経産省がロードマップを作成している
  • 工場の無人化には、まだまだ課題が残っている

工場の無人化は簡単なことではなく、費用や技術の面から慎重なアプローチが求められます。工場全体を完全無人化するのは、まだまだ先の未来です。

しかし、無人化のようなDXは少しずつ現実になっているので、自社にできる方法から実践するのがおすすめです。

オフィスペイなら自販機や券売機の決済をキャッシュレスにできるため、始めやすいDXのひとつと言えます。

従業員の負担軽減になり、満足度向上が見込めるので、ぜひ導入を検定してみてください。

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