コンビニにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)5つのパターンとは
最終更新日:2020年12月25日

ITの発展とともに、世の中のあらゆるビジネスにデジタル化の流れが浸透しています。
コンビニも例外ではなく、デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入を進めている企業は少なくありません。
そうは言っても「コンビニにとってのデジタル化とは何?」と考える方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、
- コンビニにおけるデジタルトランスフォーメーションとは
- デジタルトランスフォーメーションを取り入れるメリット
について、事例も交えながら具体的に紹介していきます。
コンビニの人手不足を解消する参考にもなると思いますので、ぜひご一読ください。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?
そもそもデジタルトランスフォーメーション(DX)とは何でしょう?簡単におさらいしておきます。
デジタルトランスフォーメーションとは、簡潔に説明すると「ITやテクノロジーの技術で私たちの生活や仕事をより快適に、便利にする」という概念のこと。
身近なデジタルトランスフォーメーションをあげるとすれば、
- 会員カードのアプリ化
- ドローンを用いた農薬の散布
- ユニクロやGUのレジの無人化
など。
これ以外にも業種によって多種多様なデジタルトランスフォーメーションが進められていますが、コンビニにとってのDXとは何を意味するのでしょうか?
次の項では、コンビニにおける具体的なデジタルトランスフォーメーションのパターンについて紹介していきます。
コンビニにおけるデジタルトランスフォーメーション5つのパターン
- キャッシュレス決済の導入
- セルフレジの導入
- 無人レジの導入
- 一部時間帯における店舗の無人営業化
- 全時間帯における店舗の無人営業化
人手不足の解消や効率化のために、コンビニで進められているデジタルトランスフォーメーションのパターンは上記の5つ。
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
①キャッシュレス決済の導入
まずは、キャッシュレス決済の導入です。今までも交通系ICカードやクレジットカードでのキャッシュレス決済は可能でした。
ですが、最近ではPayPayやLINE Pay、楽天ペイなどのキャッシュレスアプリの導入も進んでいます。
他にも、ファミリーマートの「FamiPay」のように独自のキャッシュレス決済を提供しているコンビニもあります。
キャッシュレス決済は経済産業省も「マイナポイント制度」などで推進していますし、比較的実行しやすいかつ需要の高いデジタルトランスフォーメーションと言えますね。
②セルフレジの導入
次に紹介するのはセルフレジの導入です。
最近では以下ツイートのようなセルフレジをコンビニでも見かけることが多くなったのではないでしょうか?
セルフレジが導入されてた (@ ファミリーマート 天白原一丁目店 in 名古屋市, 愛知県) https://t.co/Msro6K2Dtm pic.twitter.com/IdUdlMNfNq
-- ひで@おーば (@hidexMpw) August 26, 2020
非接触で感染症対策としても活躍するため、大手コンビニ社ではすでに今後セルフレジを拡大するよう動いています。
例えばローソンでは、2020年2月から2020年4月までの2ヶ月間で、セルフレジ導入店舗を1,800店舗⇒4,500店舗と2.5倍まで増やしています。
参考:ローソン、セルフレジを4,500店舗で導入。2カ月で2.5倍に
③無人レジの導入
次に紹介するのは無人レジの導入です。
「セルフレジと何が違うの?」と思うかもしれませんが、無人レジの場合はバーコードの読み取りすら必要ありません。
例えば、ローソンとパナソニックが共同開発した「レジロボ」では、専用ボックスに商品を入れ、レジ横に置くだけで会計を進めてくれます。
利用者はその後、会計方法を選び精算すればいいだけなので、非常に便利なシステムですね。
④一部時間帯における店舗の無人営業化
次に紹介するのは、一部の時間帯で無人営業化するというものです。
24時間ではなく、人手が少なくても問題の少ない深夜の時間帯で無人営業を行うというもの。
ローソンではすでに去年から実験的に深夜の無人営業をしています。
参考:ローソン公式サイト
この無人営業の場合、出入口は施錠されており顔写真やQRコードを読み取らなければ入ることができません。
出入口が施錠されているため、防犯面でも安心して営業することが可能です。
⑤全時間帯における店舗の無人営業化
最後に紹介するのは、全時間帯で無人営業するというものです。
山手線の高輪ゲートウェイ駅では、無人営業のコンビニエンスストア「TOUCH TO GO」ができました。
こちらも無人レジと同様に、商品のバーコードを読み取る必要がありません。自分のバッグにそのまま商品を取ります。
カメラや赤外線、棚の重量などによって合計金額が計算され、退店の際に交通系電子マネーをタッチして支払う、という流れです。
決済が完了すると出入口のゲートが開きコンビニから出ることができます。
「商品を取って店を出る」というシンプルな流れなので、利用者にとっても分かりやすいです。店舗にとっても人件費が削減されるため、双方にメリットがあります。
以上、コンビニにおけるデジタルトランスフォーメーション5つのパターンを紹介しました。
- キャッシュレス決済の導入
- セルフレジの導入
- 無人レジの導入
- 一部時間帯における店舗の無人営業化
- 全時間帯における店舗の無人営業化
次の見出しでは、デジタルトランスフォーメーションを実行するメリットを紹介していきたいと思います。
コンビニがデジタルトランスフォーメーションを実行する5つのメリット
- 人件費の削減になる
- 接客など他の業務に専念できる
- 顧客に快適な買い物を体験してもらえる
- 顧客1人1人の購買データを蓄積・分析できる
- 万引きという概念がなくなる
コンビニがデジタルトランスフォーメーションを実行するメリットは上記の5つです。それぞれ詳しく紹介していきましょう。
①人件費の削減になる
1つ目のメリットは人件費の削減が可能になることです。
特に人手不足が深刻とされるコンビニ業界。この問題が解消できることは確信的なことではないでしょうか。
セルフレジやキャッシュレス決済を導入することで、レジを担当する店員が省人化できます。
そのため少ない人数でも営業することが可能になったり、全体的な人件費を削減することが可能です。
②接客など他の業務に専念できる
次に紹介するメリットは、接客などの他の業務に専念できることです。
セルフレジ・無人レジを導入し、レジ業務を顧客自身に対応してもらうことで、スタッフは品出しに専念したり、接客に力を入れたりできます。
今まで深夜の時間帯は人員が少なく1人で営業することが多くありました。
そのため、深夜はレジ対応や品出し、商品の発注、店内清掃など様々な業務を1人でこなし負担が多くなってしまっている現状があります。
ですがそこにセルフレジなどを導入することで接客以外の業務に専念することが可能です。
セブン‐イレブンの調査では、1日約7時間ものレジ接客の時間が短縮できるという結果も出ています。
③顧客に快適な買い物を体験してもらえる
次に紹介するメリットは、顧客に快適な買い物を体験してもらえることです。
例えば、朝コンビニに寄ると出社や登校をする人でレジが混んでいることありませんか?特に朝は電車などの都合もあり急いでいる人も多いですよね。
そこへセルフレジを導入すれば、レジ待ちする時間の短縮になります。
待つ時間が減ることで待つストレスも減り、快適にコンビニを利用することが可能になります。
④顧客一人ひとりの購買データを蓄積・分析できる
次に紹介するのは、顧客一人ひとりの購買データを蓄積・分析できるということ。
今までも商品の売れ行きなどは把握することが可能でしたが、デジタルトランスフォーメーションを進めることでより詳細なデータの分析が可能です。
例えば、アプリなどの登録情報から顧客の購入データが取れます。
それをもとに、
- 細かい戦略設計を立てる
- 商品開発に活かす
といったことが可能です。
⑤万引きという概念がなくなる
最後に紹介するメリットは、万引きという概念がなくなるというものです。
一見、無人レジや無人店舗を導入すると「簡単に万引きされてしまいそう」と思う方もいるのではないでしょうか?
ですが無人化することで、むしろ万引きという概念をなくすことが可能です。
というのも、無人化したコンビニやスーパーでは、出入口で持って出た商品を自動決済することになるからです。
万引きしようと思っても、商品を持って出る以上強制的に会計が発生してしまいます。そのため、万引きという概念がそもそもなくなるのです。
このようにコンビニにおけるデジタルトランスフォーメーションには顧客側とコンビニ側両者にメリットが存在するのです。
まとめ:デジタルトランスフォーメーションは顧客側・コンビニ側双方にメリットがある
ここまでコンビニにおけるデジタルトランスフォーメーションの紹介やメリットについて紹介しましたが、もう一度おさらいしてみましょう。
コンビニでは主に以下5つのデジタルトランスフォーメーションが取り入れられます。
- キャッシュレス決済の導入
- セルフレジの導入
- 無人レジの導入
- 一部時間帯における店舗の無人営業化
- 全時間帯における店舗の無人営業化
また、これを実行することで様々なメリットがあることを紹介しました。
- 人件費の削減になる
- 接客など他の業務に専念できる
- 顧客に快適な買い物を体験してもらえる
- 顧客1人1人の購買データを蓄積・分析できる
- 万引きという概念がなくなる
昨今、人手不足が深刻なコンビニ業界。
今後も利用者の利便性を落とさず店舗を拡大していくのであれば、デジタルトランスフォーメーションの導入が重要になるでしょう。
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