3分で基本を網羅!デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?
最終更新日:2021年01月20日

近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業が増加しています。
ビジネスの場で耳にすることも増えてきましたが、
「DXって具体的にどういう意味?」
「なぜ流行っているの?」
など疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、以下の内容について、数字や具体例を交えながらまとめました。
- DXとは何か
- なぜ求められているのか
- どのような課題があるのか
3分程度でDXの基礎を網羅できるようまとめたので、ぜひご一読いただけたらと思います。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、「私たちの生活や仕事をIT技術によって簡単・便利にする」という概念です。
意味が広い言葉なので、具体例を挙げてみます。
- 書類や印鑑の電子化による手続きの簡略化
- キャッシュレス決済による支払いの効率化
- 受付のロボット化による工数削減・感染症予防
- VRでの物件内覧による利便性の向上
- 会議のオンライン化による遠距離での仕事の実現
などなど、既に身近なものから目新しいものまで様々です。あなたの身の回りでも、既にDXが進んでいることが感じられるのではないでしょうか。
デジタルトランスフォーメーションをなぜ「DX」と略すのか
デジタルトランスフォーメーションは英語で「Digital Transformation」と表記するにも関わらず「DX」と略されます。
その理由は、英語圏において「trans~」を「X」と表現する習慣があるためです。日本ではあまり慣れない略し方かもしれませんが、シンプルな理由ですね。
経済産業省の掲げるデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義とは
2018年頃から経済産業省もDXを推進しており、同省ではDXを以下のように定義しています。
経済産業省のデジタル・トランスフォーメーション(DX)とは
これまでの、文書や手続きの単なる電子化から脱却。
IT・デジタルの徹底活用で、手続きを圧倒的に簡単・便利にし国民と行政、双方の生産性を抜本的に向上します。
また、データを活用し、よりニーズに最適化した政策を実現。仕事のやり方も、政策のあり方も、変革していきます。
出典:https://www.meti.go.jp/policy/digital_transformation/index.html
経済産業省自らもDXに取り組むのはもちろん、
- DXを進めることによる将来の発展
- DXを進めないことによる将来のリスク
などをレポートにまとめ、一般企業への啓蒙活動を行っています。
これ以外にも、DX推進ガイドラインの策定やIT導入補助金の公募など、現実的なサポートにも注力してきました。
経済産業省の動きについては以下の記事にまとめています。詳しく知りたい場合は以下の記事をチェックしてみてください。
>>経済産業省の掲げるデジタルトランスフォーメーション(DX)と取り組みを紹介
デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められる2つの理由
- 利便性や生産性の向上に役立つから
- 社会や市場の変化に取り残されてしまうから
では、なぜここまでデジタルトランスフォーメーションが広がり、推進されているのでしょうか?
ここでは、DXが求められる2つの理由を解説していきます。
①利便性や生産性の向上に役立つから
DXが求められる1つ目の理由は、シンプルに利便性や生産性の向上に貢献するためです。
私たちとしても、
- メルカリ(フリーマーケットのDX)
- Netflix(DVDレンタルのDX)
- モバイルSuica(交通系ICカードのDX)
など、DXの恩恵を既に感じているのではないでしょうか。
もちろん、生活面だけではありません。ビジネスにおいても、DXを進めたことで利便性・生産性が向上した例は数多くあります。
例えば、ソフトバンクは携帯の紛失時に届く「落とし物通知依頼書」のデータ入力を自動化することで、月200時間を削減しました。
また、小松製作所ではドローンによる測量やアプリによる施工管理で、工数を大幅に削減しています。
このように利便性・生産性向上のメリットから、DXはより広がっているのです。
②社会や市場の変化に取り残されてしまうから
DXが求められる2つ目の理由は、社会や市場の変化に取り残されてしまうためです。
これだけ見ると「ネガティブな理由だな......」と感じるかもしれません。
しかし事実として、DXが進まなかった場合「2025年以降、最大12兆円/年(2018年の約3倍)の経済損失が生じる可能性がある(※)」と経済産業省のレポートで提言されています。
(※)このことを経済産業省は「2025年の崖」と定義しています。
また現場目線でも、既存サービスのDXに成功している企業を数多く目にして「ウチも何かできることはないか?」と考えるのは自然なことではないでしょうか。
このような理由から、DXを推進する企業が増加しているのです。
では、具体的にどれくらいの企業がDXに着手しているのでしょうか?次の項でお伝えしていきます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)に着手する企業が増えている
電通デジタルによると、2019年の段階で日本企業の70%がDXに着手しています。
出典:https://www.dentsudigital.co.jp/release/2019/1213-000347/
2018年から2019年の間でDXに着手した企業は7%増加しており、「将来的に着手予定」と回答した企業も11%でした。
また、大手クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」が2020年に行った調査によると、DX関連の発注者数は右肩上がりで増加しています。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000050142.html
2019年9~11月と2020年6~8月を比べた際、発注者数が142%(91件)増加しているとのことです。
まとめると、
- DXに着手した企業が2018年~2019年の間で7%増加している
- 11%の企業が「将来的にDXに着手予定」と回答している
- DX関連の発注者数も約1年で142%増加している
といった事実から、DXに着手する日本企業は増えており、今後さらに広がっていくと予想できます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)における課題
- 既存システムの問題点と克服シナリオを経営層が描ききれていない
- 既存システムの刷新に必要なコストとリスクが大きい
- 既存システムの刷新におけるメンバーの役割が曖昧で、主体性を持てない
- 開発内容が曖昧になりやすく、契約トラブルに繋がりやすい
- DXに明るい人材が不足している
参考:https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-1.pdf
経済産業省のDXレポートによると、DXの推進においては上記のような課題があるとされています。
特に2番の「システムの刷新におけるコストとリスク」については企業への影響も大きく、大規模なDXに踏み出せない要因の一つではないでしょうか。
これに対して、同レポートでは以下のように対応策を提示しています。
- 問題点を客観的に把握するための指標と診断方法を用意
- 「DX推進システムガイドライン」の策定
- ITシステム構築におけるコスト・リスク低減対応
- 企業間の契約ガイドラインの見直し
- DX人材の育成・確保
参考:https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-1.pdf
ただ、これだけ見ても概念的な部分が多く、現場レベルではより多くの課題が見えてくるでしょう。
DXを進めなければ「2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる」と予測されている一方で、実現にはまだまだ課題が残っているのが現状です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の成功事例
- 小松製作所:施工プロセスのデジタル化により工数を大幅削減
- ソフトバンク:データ入力の自動化で月200時間を削減
- 三井住友銀行:お客様の声を瞬時に分析・グループ化
- 大塚製薬:薬の飲み忘れ防止システムを提供
- スペースリー:VRでの物件内覧を実現
- 日本郵便:ドローンを用いた荷物の配送を実施
- ゼブラ:3Dプリンタの導入で文具の試作品作りを短縮
- RIZAP:ゴルフスイングのデータ解析センサーを導入し、カウンセリングの質を向上
DXの成功事例は挙げるとキリがありませんが、例として上記をリストアップしました。
ビジネスの現場では、
- 工数(人件費)の削減
- 開発や施工の時間短縮
- 提供サービスの性能向上
に成功していると言えます。
「VR」や「3Dプリンタ」などを目にすると「DXの実現はハードル高そう...」と感じるかもしれません。
しかし、「会社の自販機をキャッシュレス決済に対応させる」といったことでもDXです。まずは身近な所から進めてみてはいかがでしょうか。
DXの成功事例についてはより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
>>デジタルトランスフォーメーション(DX)の成功事例15選と成功のポイント
まとめ:デジタルトランスフォーメーションを始めよう
- デジタルトランスフォーメーション(DX)とは「私たちの生活や仕事をIT技術によって簡単・便利にする」という概念のこと
- 経済産業省もDXを推進している
- DXの推進が遅れた場合、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性がある
- 2019年時点で日本企業の70%がDXに着手しており、今後も増加が見込まれる
2018年頃から経済産業省も推進を始めたDX。既に日本企業の70%が着手を始めており、今後もその割合は増加していくと予測できます。
変化していく市場に取り残されないためにも、DXは決して無視できる分野ではありません。
ぜひこの機会に、自社でできることはないか考えてみてはいかがでしょうか。
最新の情報をお届けするメディア