キャッシュレス決済のメリット・デメリットとは?消費者側・店舗側の両方を解説
最終更新日:2021年10月27日

近年は、訪日外国人の消費拡大や人手不足の解消を目的として、キャッシュレス決済の導入が推進されています。
ただ中には急速なキャッシュレス化に対応しきれず、
「キャッシュレス決済って色々あるけれど、どれを使えばいいのかな」
「キャッシュレス決済のメリット・デメリットを詳しく知りたい」
このように悩んでいる方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、
- 消費者のキャッシュレス決済のメリット・デメリット
- 店舗側のキャッシュレス決済のメリット・デメリット
- キャッシュレス決済の利用がおすすめな人
- 高還元率のキャッシュレスサービス
といった内容について解説します。
消費者側・店舗側の両方の観点から解説しているので、ぜひ最後までお読みください。
キャッシュレス決済の消費者側のメリット6つ
まずは、現金ではなくキャッシュレスにすることで、消費者が得られるメリットを6つ紹介します。
- スムーズに決済できる
- 現金を持ち歩かなくていい
- ポイント還元がある
- QRコード決済なら個人間で送金できる
- 感染症対策になる
- お金の流れを確認しやすくなる
順番に確認してみましょう。
メリット①スムーズに決済できる
現金支払いからキャッシュレスに移行すると、会計にかかる時間が短くなります。
現金で支払いをする際に、財布が見つからずモタモタしてしまったり、財布から小銭を落としてしまったりといった経験はないでしょうか。
特に小銭で会計を済ませようとすると、数えるのにも時間がかかり、後ろに並んでいる人に迷惑をかけてしまうこともあります。
しかしキャッシュレスで支払いを済ませれば、お金を出す必要がないため、すぐに会計を済ませられます。
特にQRコード決済の場合はスマホを出すだけで済むため、荷物の中に紛れ込みがちな財布を探す必要もありません。
朝などの時間がないときでも、一瞬で会計を済ませられるでしょう。
メリット②現金を持ち歩かなくていい
キャッシュレスに移行すると、当然ですが現金を持ち歩く必要がありません。
現金で高額な支払いをする際には、多くのお金を持ち歩くことになります。
数万円から数十万円を財布に入れて持ち歩くと、盗難や紛失などのリスクが高まってしまいます。
また大金ではなくても、小銭を大量に入れると重いうえかさばるので大変です。
その点、キャッシュレスなら現金を持ち歩く必要がないので、常に身軽な状態でいられます。
料金が足りるかどうかの心配もほぼ不要なので、現金より使いやすい決済と言えます。
メリット③ポイント還元がある
キャッシュレス決済には、ポイント還元システムが導入されている場合が多くあります。
ポイント還元システムとは、使った金額やチャージした金額に応じてポイントが付与され、次回以降の買い物で差し引きできるシステムです。
現金払いの際にはもらえなかったお金が戻ってくると考えると、大変お得な制度と言えるでしょう。
ポイント還元率はキャッシュレスサービスによってさまざまですが、大体0.5〜1.5%程度のポイントが付与されます。
またキャンペーンが開催されることも多く、キャンペーン期間中はさらに多くのポイントを獲得できます。
中には20%還元のように、還元率が大幅にアップするキャンペーンもあるので、うまく活用することがおすすめです。
メリット④QRコード決済なら個人間で送金できる
PayPayのようなQRコード決済では、個人間で簡単にお金のやり取りができる「送金機能」がついていることが多いです。
スマホアプリに「送金機能」がついており、同じ決済を利用している人同士であれば、簡単にお金のやり取りができます。
割り勘やちょっとしたお金のやりとりがスマホだけで完結するので、現金のように「千円札が足りない」ということもありません。
友人同士で食事にいった際や、購入した物のお金を立て替えておいてもらった場合にも便利です。
メリット⑤感染症対策になる
現金は日本国中で使用されているため、多くの人の手に触れています。
感染症対策が求められている現在では、「できればあまり触りたくない」と感じる人も多いでしょう。
しかしキャッシュレス決済は、現金に触る必要がないため、感染症対策としても役立つと言えます。
またキャッシュレスで支払いを済ませれば、会計の際に他の人と手が触れることはほぼありません。
他人との接触が気になる場合も、あまり気にせずに支払いを済ませられます。
メリット⑥お金の流れを確認しやすくなる
お金の出入りを確認しやすくなることも、キャッシュレス決済のメリットの1つです。
多くのキャッシュレス決済ではデータが残るので、それぞれの会員ページで収入と支出のような履歴を可視化できます。
さらに、家計簿アプリと連携すると、複数のキャッシュレスサービスを使っていてもまとめて確認できるので非常に便利です。
今までレシートをもとに家計簿をつけていて、「レシートをなくした」「レシートをもらえず何にお金を使ったか忘れてしまった」といった不便を感じたことはありませんか。
キャッシュレス決済ではレシートをもらわなくてもアプリ上に履歴が残るため、家計管理も簡単になります。
キャッシュレス決済の消費者側のデメリット3つ
次にキャッシュレス決済のデメリットを、消費者側の観点で3つ紹介します。
- お金を使っている感覚がなくなる
- 全店舗で利用できない
- デジタル端末が苦手な場合はハードルが高い
順番に見てみます。
デメリット①お金を使っている感覚がなくなる
キャッシュレス決済では現金を直接やりとりしないので、お金を使っている感覚が薄くなってしまいます。
「クレジットカードは使いすぎてしまう」と耳にしたことはありませんか。
キャッシュレスは手元に現金がなくても買い物ができてしまうので、自分の想像以上に使いすぎてしまう場合があります。
そのためキャッシュレス決済を利用する際は、頻繁に利用額を確認することがおすすめです。
デメリット②全店舗で利用できない
キャッシュレス決済は、加盟店でのみ利用できます。
たとえば一見どこでも利用できそうなクレジットカードも、個人店などの一部店舗では利用できません。
電子マネーやQRコード決済はクレジットカードほど普及していないので、さらに利用できる店舗が狭まります。
そのため現金を持っておらず、スマホだけで買い物をしようとしても決済できないケースも見られます。
クレジットカードの方が導入されている確立が高いため、クレジットカードを1枚持っておくのがおすすめです。
デメリット③デジタル端末が苦手な場合はハードルが高い
デジタル端末の操作が苦手な場合は、キャッシュレスの支払いを難しく感じてしまう傾向にあります。
電子マネーやQRコード決済は徐々に普及していますが、アプリのインストール&設定や、アップデートなどが必要なため、特に高齢者には難しく感じることが多いです。
ただキャッシュレス決済は電子マネーやQRコードだけでなく、クレジットカードなどのカードを持っているだけで使えるものも存在します。
簡単に決済をしたいのであれば、スマホが不要なクレジットカードやデビットカードを持ちましょう。
キャッシュレス決済の店舗側のメリット3つ
では、店舗側にはどのようなメリット・デメリットが存在するのでしょうか。
店舗側には、以下のような3つのメリットが存在します。
- 現金の取り扱いを軽減できる
- お客さま満足度の向上につながる
- 新たな客層を取り込める
ひとつずつ確認してみましょう。
メリット①現金の取り扱いを軽減できる
現金の取り扱いは店舗にとって負担になっている場合が多いため、キャッシュレス導入で軽減できるのは大きなメリットです。
現金を取り扱う際はおつりのやり取りなどが必要となり、一度の会計でもそれなりの時間がかかってしまいます。
また、従来のレジシステムは過不足を発生させるリスクにもつながるため、営業時間内にレジ内の金額が合っているかの確認作業などを行う必要があります。
いつお客さんから声をかけられるか分からない状態での金額の確認作業は、スピーディーかつ正確な作業が求められるため、負担を感じているスタッフも多いです。
スタッフの負担が軽減されれば、別の作業にリソースを割けるので、生産性の高い業務が可能になります。
メリット②お客さま満足度の向上につながる
キャッシュレスを導入すればスムーズな決済ができ、お客さま満足度の向上につながります。
レジで時間がかかるのはストレスを感じやすく、行列ができてしまえば会計までさらに時間が必要です。
そうなればレジスタッフに焦りが発生し、ミスをする悪循環に陥るかもしれません。
キャッシュレス決済を導入することで、会計にかかる時間の短縮やミスの減少が期待でき、お客さま満足度の向上にもつながるでしょう。
メリット③新たな客層を取り込める
キャッシュレス決済を導入すると、今までになかった客層を取り込める可能性があります。
今までに来店された方の中で、「キャッシュレス決済ができないならいいです」と言って帰ってしまった方はいないでしょうか。
もしキャッシュレス決済を導入すれば、現金を持ち歩きたくないお客さんや、訪日外国人の来店も期待できます。
特に訪日外国人はクレジットカードを利用するケースが多いので、今までになかった客層としてファンになってもらえる可能性があります。
キャッシュレス決済の店舗側のデメリット2つ
便利な一方で、店舗へのキャッシュレス決済の導入には以下のようなデメリットも存在します。
- システム導入に費用がかかる
- スタッフの教育が必要
それぞれ簡単に紹介します。
デメリット①システム導入に費用がかかる
キャッシュレス決済に必要なシステムを導入するためには、初期費用が発生します。
たとえばPOSレジを新しくしたり、決済端末を購入したりしなければいけません。
費用は各キャッシュレスサービスによっても異なりますが、3万円程度の費用がかかります。
よってあまりお金をかけたくない場合は、大きなデメリットと言えるでしょう。
またキャッシュレス決済の利用時には、大体1〜5%ほどの決済手数料も発生します。
キャッシュレス決済の導入費用については以下の記事で詳しく紹介していますので、興味がある場合はあわせてご一読ください。
>>キャッシュレス決済の導入方法は?費用やメリット・デメリットを解説
デメリット②スタッフの教育が必要
キャッシュレス決済の導入時には、新しいシステムを導入するため、レジスタッフの教育が必要です。
レジによっては仕組みが大きく変わる場合もあるため、スタッフが新しい機器やシステムに慣れなければなりません。
したがって、スタッフが使い方を覚えるための教育が必須です。
ただ教育と言ってもそこまで難しいものではなく、マニュアルを確認し一通り触ってみるだけで済むことも多いです。
デジタル端末に慣れている若年層の方が操作を覚えやすい傾向もあるため、スタッフの年代や人数などに合わせて方法を検討してみてください。
【4つの種類別】キャッシュレスの利用がおすすめな人
キャッシュレス決済には様々な種類が存在するため、「どれを選べばいいの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
キャッシュレス決済の種類は大きく「QRコード決済・クレジットカード・電子マネー・デビットカード」の4つで、それぞれに異なった特徴があります。
以下の表は、4つの種類とおすすめな人についてまとめたものです。
種類 | おすすめな人 |
QRコード決済 |
|
クレジットカード |
|
電子マネー |
|
デビットカード |
|
もし決済方法にこだわりがない場合は、クレジットカードがおすすめです。
クレジットカードはとにかく加盟店が多いため、使用できないケースは少ないです。
また海外に行っても使えるので、最も使い勝手の良い手段と言えるでしょう。
ただクレジットカードは発行時に審査が必要な上に、年齢制限があるため、ハードルが高く感じるかもしれません。
その場合は、決済した瞬間に口座からお金が引き落とされるデビットカードが良いでしょう。
デビットカードならば使いすぎてしまうリスクも少なく、発行時に審査や年齢制限もありません。
高校生も作れるので、はじめてのキャッシュレスとしてもおすすめです。
高還元率でおすすめのキャッシュレスサービス
キャッシュレス決済の大きなメリットは、ポイント還元により多くのポイントを貯められることです。
ただポイント還元率は各サービスによって異なるため、なるべく高い還元率のサービスを選ぶことが重要です。
ここでは、比較的還元率が高いQRコードとクレジットカードについて、ポイント還元率の比較を行ってみます。
還元率をメインで選びつつ、用途に合わせて理想のサービスを見つけてください。
以下の表は、主要なQRコード決済7選を比較したものです。
下記の7サービスの中では「楽天ペイ」のポイント還元率がもっとも高く、支払い方法によっては2.5%もの還元率が期待できます。
サービス名 | ポイント還元率 | おすすめ度 |
楽天ペイ | 1〜2.5% (支払い方法による) |
★★★★★★ |
d払い | 0.5〜2.5% (支払い方法による) |
★★★★★☆ |
PayPay | 0.5〜1.5% (PayPayステップ) |
★★★★☆☆ |
au PAY | 0.5~1.5% (基本0.5%。au PAY カードからのチャージで1.5%) |
★★★★☆☆ |
FamiPay | 0.5~1.5% (チャージは0.5%、Tカードからのチャージ・決済で1.5%) |
★★★☆☆☆ |
LINEPay | 0.5% | ★★☆☆☆☆ |
メルペイ | 原則ポイント還元なし | ★☆☆☆☆☆ |
続いて、クレジットカード決済です。
こちらは「dカード GOLD」の還元率がもっとも高く、最大でなんと10.5%になります。
クレジットカード名 | ポイント還元率 | おすすめ度 |
dカード GOLD | 1〜4.5% ※dカード ポイントUPモールを経由する場合10.5% |
★★★★★★ |
JCB CARD W | 1〜5.5% | ★★★★★☆ |
リクルートカード | 1.2〜4.2% | ★★★★☆☆ |
楽天カード | 1〜3% | ★★☆☆☆☆ |
三井住友カード |
0.5~5% ※5%はタッチレス決済利用時のみ |
★☆☆☆☆☆ |
QRコード決済もクレジットカードも、基本的の還元率は0.5〜1.5%程度です。
ただクレジットカードは決済方法や系列店舗での使用などにより、4%以上のポイントを獲得することも可能です。
高還元率のQRコード決済やクレジットカードについては、詳しくは下記の記事で解説しています。
より多くのポイントを獲得する方法や選び方も紹介していますので、お得にポイントを利用したいのであれば、ぜひご覧ください。
>>キャッシュレス決済のおすすめ12選!還元率を重視した1位はコレ
まとめ:キャッシュレス決済を活用してスムーズに買い物を提供しよう
キャッシュレス決済はいくつかのデメリットがあるものの、それ以上にメリットが多い決済方法です。
消費者側・店舗側に共通するメリットは、会計がスムーズになることです。
スムーズに会計できれば、消費者が待ち時間によるストレスを感じないだけでなく、店舗側も高い回転率でレジをこなせます。
また現金の管理に手間取ることもありません。
キャッシュレス決済は消費者側・店舗側の両方にとってメリットの多い決済方法ですので、ぜひ導入を検討してみてください。
なおキャッシュレス決済には他にも様々なサービスがあり、自販機をキャッシュレス化したい場合は、「オフィスペイ」の導入がおすすめです。
既に複数の企業に導入されていますので、導入事例が気になる場合は、こちらのリンクからご覧ください。
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